こんにちは。
私は外科・内科・精神科の勤務経験がある看護師です。
今は地域包括ケア病棟で入院患者様が在宅に帰るための支援を行っています。
このブログは私の医療従事者としての経験を通して、医療・介護の様々な悩みを少しでも解決できるお手伝いをしたいと思い開設しました。
この記事では、私が実際に出会った患者さんを事例に、認知症で暴力を行う家族に対してどのようなアプローチができるのかを紹介します。
正しい知識と実践的な解決策で、少しでも安心した日常生活につながれば幸いです。
【事例】徘徊・暴力を振るう認知症家族
事例紹介:家庭介護での徘徊と暴力行動の実態
ある家庭で、認知症が進行した90代のAさんは、夜中に家中を徘徊するようになりました。夜中歩き回る物音で、同居している家族は目を覚ますため、家族全体の睡眠や生活リズムに大きな影響を与えています。
またAさんに対し眠るように促すと、普段は穏やかだったAさんが急に怒りっぽくなり、次第には家族に対して暴力的な言動を取るようになり、家庭内の対応に限界を感じていました。
【解決策】徘徊・暴力を振るう認知症家族への対処
〇日中の活動促進
軽い運動や趣味活動を行うことに日中の活動を充実させることで、夜間の不安や興奮を抑える効果が期待できます。わずかな時間でも家族の方々と一緒に時間を共有してやっていただくとより効果的です。
〇安心感の向上
家族や介護者の温かい対応、そして日常生活の中で小さな成功体験や安心できるルーティンを積み重ねることが、Aさんの情緒安定につながります。ちょっとしたことでもほめてあげてください。Aさんも満足感で満たされることでしょう。
〇環境のリラックス化
健常者にも同じことが言えますが、夜間の照明を柔らかくし、静かな音楽を取り入れるなど、リラックスできる環境を整えることで、Aさんの不安感や興奮を和らげ徘徊や暴力のリスクを下げるよう努めます。
〇家庭内環境の安全対策と環境整備
高齢者の場合、転倒による骨折・入院の事例が多いです。特に夜間は視界が悪く転倒の危険が高いです。家中の移動経路を整理し、転倒や怪我を防ぐために障害物を除去することが必要です。一度骨折してしまうとそれが原因で亡くなる方もおられます。
〇専門医による評価と治療の見直し
夜間の徘徊や暴力行動は、認知症の進行だけでなく、睡眠障害や他の身体的・精神的要因が絡んでいる可能性があります。精神科医や認知症専門外来でAさんの状態を再評価し、治療方針を見直すことが重要です。家族の方も思い切って相談なさってください。
〇家族間の連携(情報共有と協議)と外部支援の活用
Aさんの行動が家庭全体に与える影響は大きいため、日々の変化や対策について家族全員でしっかりと情報共有しましょう。一貫した対応策を決めることが、急な暴力行動に対する効果的な対処法となります。
〇地域支援の利用
家庭内ケアだけでは対応が難しい場合、地域の包括支援センターや認知症初期集中支援チームに相談し、訪問評価や専門医受診のプラン作成、さらには介護サービスとの連携を図るようにしましょう。
まとめ 認知症・徘徊・暴力がある場合、早く専門家へ相談を。
私自身、精神科で勤務していた経験から思うことは、認知症患者の徘徊や暴力的な行動・症状の緩和はコントロールできると考えてます。患者様の症状を正しく理解・対処し、相手の思いを否定せずに丁寧な対応を行うことでより良い安心した生活につながります。
そして、入院される高齢な患者さんのほとんどが認知症を患っていますが、認知症への治療が何もなされていない方が本当に多いです。
仕事をしていると「介護が大変なのに家族は患者さんの面倒をみられるのか?家に帰って本当に大丈夫なのか?」と思いながら、退院されていく患者さんがいます。そういう患者さんは結局、家族が自宅での患者の介護ができず再入院してくる話も少なくありません。
今、在宅医療が推進されている中、病院の医療者(医師・看護師・ソーシャルワーカー)と地域の支援者(ケアマネージャー・訪問看護師・訪問介護士)等が連携して、患者を在宅の生活を支援する取り組みが進められています。
その中で、病院の医療者・地域支援者の力不足のために、患者さん一人一人に適切な対処ができているのか疑問をもつことがあります。家族がしっかりと正しい知識を持ち行動すれば、患者も家族もより良い在宅生活ができるのに。と思うことが少なくありません。
認知症患者さんに対する正しい知識を身に着け、適切な対策を講じることが、安心した生活を送る第一歩です。
今後も医療・介護現場での実体験や最新の知見をもとに、皆様のお役に立つ情報をお届けしていきますので、 ぜひ引き続きご覧ください。