看護師2年目で辞めたい。それは甘えじゃない
2年目になったとたん、急に重くなった気がしませんか。
1年目は「まだ新人だから」で許されていたことが、2年目になった瞬間に許されなくなる。後輩が入ってきて、教える側を求められる。でも自分はまだ不安だらけ。そのギャップが、しんどい。
「1年は頑張った。でも、この先もずっとこれが続くのか」と思うと、もう続けられないかもしれないと感じる。
そしてそこにまた、「2年目で辞めるのは甘え」「石の上にも三年」という言葉がのしかかってくる。
辞めたいと思うことは甘えじゃない、というのが自分の考えです。でも、それだけ言っても何にもならないので、2年目で感じるしんどさの正体と、辞める前に一度立ち止まって考えてほしいことを書きます。
2年目で「辞めたい」と感じるのは、あなただけじゃない
自分は1年目のとき、ICUに配属されました。
先輩によって言うことが違う。Aさんにこう教わってそうしたら、Bさんに怒られる。またやり直す。そのうちに、何をやっても怒られるような気がしてきた。
「がんばっても怒られてばかり。何をやっても怒られると思うと、周りが怖くて仕事に取り組めなかった」というのが正直なところです。ミスが増えて、またそれで怒られて。悪循環でした。
その頃は、ずっと辞めたかったです。
2年目になっても、しんどさは続きました。1年目より「自分でやれ」という空気が強くなって、でもまだ全然自信がなくて、毎日不安なまま仕事していた記憶があります。
こういう経験をしている看護師は、珍しくないと思います。
2年目という時期は、プリセプターが外れて独り立ちを求められる時期でもあり、1年目の疲れが蓄積している時期でもある。「辞めたい」と感じるには十分な理由があります。
1年目から辞めたいと思い続けていた方は、看護師1年目で辞めたいあなたへも読んでみてください。
1年目と2年目で何が変わるのか
辞めたい気持ちが2年目でとくに強くなる理由のひとつは、立場が変わることです。
プリセプターが外れる
1年目はプリセプターという先輩がついてくれていました。つらくても「この先輩に頼れる」という安心感があった。2年目になると、それがなくなります。「もう独り立ちしたんだから」という前提で扱われる。
責任が重くなる
1年目は「新人だから仕方ない」と思ってもらえる部分があります。でも2年目になると、同じミスでも「もうそれくらいできるでしょ」という目になる。責任の重さが変わるのに、自分の技術や自信は一夜では変わらない。
後輩ができる
後輩が入ってきて、自分も教える側に立つことを求められます。でも自分だってまだ不安なのに、誰かに教えなきゃいけない。これが意外とプレッシャーになります。「先輩のふり」をしながら、内心はまだ不安というのがしんどい。
「もう新人じゃない」という周囲の目
患者さんにも、他のスタッフにも「2年目」として見られます。1年目のときは「覚えていないのは当然」でも、2年目は「そんなこともまだわからないの」という空気になりやすい。
こういった変化が重なって、2年目特有のしんどさが生まれます。
「石の上にも三年」は本当か
2年目で辞めると言いにくい理由のひとつに、「石の上にも三年」という言葉があると思います。
自分はこれ、半分賛成・半分反対です。
賛成な部分
長く働かないとわからないことはある、というのは本当だと思います。1年目では経験できないことが2年目にあり、2年目ではできないことが3年目にある。職場に慣れてきた頃に初めて見えてくる景色があるのも確かです。
反対な部分
「自分に合わなくて辞めたいと思いながら働くのは、しんどいだけ」というのも本音です。
3年という数字に根拠はないと思います。その職場でどんな経験をしたか、何を学んだか、の方が大事。2年でも濃く経験できれば、それで十分なこともある。
それに、「3年いれば変わるかもしれない」と思える職場と、そう思えない職場がある。自分の経験から言うと、しんどさの原因が「仕事そのもの」なのか、「職場の環境」なのかで、続ける意味が変わってくると思っています。
職場の環境が原因なら、環境を変えることで気持ちが変わる可能性がある。でも仕事そのものが合わないなら、3年いても変わらないかもしれない。
3年続けることの意味について、もう一段深く考えてみたい方は看護師3年目で辞めたい。それは逃げじゃないも参考にしてみてください。
2年目で辞めても転職できるのか
「2年目で辞めたら転職できないんじゃないか」という不安もあると思います。
結論から言うと、看護師は慢性的な人手不足なので、2年目でも転職先はあります。
ただし、正直に言うと、2年目だと応募できる科や領域が限られることはあります。急性期病院のICUやHCUなど、即戦力が求められる職場では難しい場合もある。
でも基礎看護技術ができていれば、一般病棟やクリニック、施設系は十分に対象になります。
「2年しかないから転職できない」ではなく、「2年でどんな経験をしてきたか」の方が大事だと思います。何を経験してきたか、何ができるかを整理してみると、意外と自分にも書けることがある。
辞める前に考えてほしい3つのこと
「辞めたい」という気持ちは本物です。でも、辞めると決める前に一度だけ考えてほしいことがあります。
1. 辞めたい理由は、職場なのか、看護師という仕事なのか
これが一番大事だと思います。
自分の場合、ICUがしんどかったのは先輩関係と職場の雰囲気でした。精神科に異動したら、人間関係が良くて、辞めたいとは思わなくなった。男性の先輩・後輩がいて、患者対応のフォローをしてもらったり、立場の悩みを共有できたりして「自分だけじゃない」と思えたんです。
もし辞めたい理由が「この職場の人間関係」や「この病棟の雰囲気」なのであれば、異動や転職で状況が変わる可能性があります。でも「看護師という仕事が自分に合わない」と感じているなら、職場を変えても根本は変わらないかもしれない。
辞めたい原因がどこにあるかを、一度だけ考えてみてください。
2. 異動や転職で解決する可能性があるか
「辞める」の前に、「職場や科を変える」という選択肢もあります。同じ病院の中で異動できるなら、まずそれを考えてみてもいい。転職するとしても、働き方や職場の種類はいろいろある。
3. 辞めた後のおおまかな見通しがあるか
辞めた後にどうするか、まったくイメージがないまま辞めるのは少し不安が残ります。転職活動をして内定をもらってから辞める、でもいいし、休みを挟んでから考える、でもいい。ただ、何も考えずにとりあえず辞めると、辞めた後に焦りが出やすいかもしれません。
辞めると決めたら、まず何をするか
辞めると決めたなら、早めに少しずつ動き始めた方が、気持ちに余裕ができると思います。
退職を伝えるタイミング
法律上は2週間前でも退職できますが、看護師の現場では1〜2ヶ月前に伝えるのが一般的です。退職を伝える時期の考え方については看護師の転職タイミングはいつがいいかも参考になります。
転職活動の始め方
在職中から少しずつ情報を集めておくと、辞めた後に焦らず動けると思います。辞めてから探すと、どうしても気持ちに余裕がなくなりやすい。求人を眺めたり、条件を整理したりするだけでも、次へ向かう気持ちが少し楽になることがあります。
引き止められたときの対処
「辞めます」と言うと、引き止められることが多いです。引き止めへの対処が不安な方は退職を引き止められたときの考え方を読んでみてください。
辞めたいけどなかなか言い出せない、という方は看護師を辞めたいけど言えない、そのしんどさについても参考にしてみてください。
2年目の自分に、15年目の自分が思うこと
今は看護師15年目ですが、2年目の自分に声をかけるとしたら、何を言うか考えてみました。
「よく頑張ったよ。そのおかげで幅広いことを学べたり体験できた。働いたことには十分価値があるよ」
というのが素直な言葉です。あの頃しんどかったのは本当だったし、今になってもあの時期を「あれがあったから今がある」とキレイにまとめる気にはなれません。しんどかったのはしんどかった。
でも同時に、「失敗を恐れず、もっと主体的に仕事に取り組まないと後悔するよ」とも言いたい。あの頃は怖くて、指示待ちのままで、もっとできることがあったのに動けなかった部分があった。
あと、「いつも自分は看護師に向いていないと感じていた」というのは今でもそうです。15年経った今も、ふとそう感じることがある。向いていないと感じているのに続けているのは、他に自分に向いている仕事があるかどうかわからないから、というのが正直なところです。
「向いていないから辞めた方がいい」とは思いません。でも「向いていないけど続けなきゃいけない」とも思いません。向いていないと感じながらも、自分が納得できる理由で続けているか、続けていないか、という話だと思っています。
2年目で辞めたいと感じているあなたが、甘えていると思ったことは一度もないです。2年間、それだけで十分に大変だったはずです。
辞める選択をした方も、もう少しだけ続ける選択をした方も、どちらも正解はないと思っています。自分の体験談も別の記事にまとめているので、読んでみてください。
まとめ
2年目で辞めたいと感じることは、甘えではありません。
1年目とは違うプレッシャーがある。プリセプターが外れて、責任が増えて、後輩もできて。そのしんどさは本物です。
辞める前に一度だけ考えてほしいのは、「職場が合わないのか、看護師という仕事が合わないのか」という点です。自分の場合、職場の環境が変わったら気持ちが変わりました。でもそれが誰にでも当てはまるわけではない。
辞めると決めたなら、早めに動き始めることで次に向かいやすくなります。
正解はないし、決断する必要もありません。でも今のしんどさを「甘え」と片付けずに、自分の気持ちと向き合う時間は持ってほしいと思います。
同じように悩んでいる方と、一緒に考えていけたらうれしいです。