転職回数が多い自分は、もう不利なのだろうか。

面接で「また転職してきたんですね」と思われるんじゃないかと、不安になることがあります。2回目、3回目の転職を考えながら、「さすがに多すぎるかな」と足踏みしている人もいるかもしれません。

でも、実際に看護師として転職を経験し、複数の科を渡り歩いてきた立場から言うと、転職回数を気にしすぎなくていい場面は思ったより多いです。

もちろん、回数がまったく関係ないとは言いません。ただ、採用側が本当に気にしているのは「回数そのもの」よりも別のことです。

この記事では、転職回数と採用の実際と、転職を重ねてきた人が持っている強みについて、現場の感覚を交えながら書いてみます。


転職回数を気にしすぎなくていい理由

看護師の業界は、常に人手不足です。これは体感としてもデータとしても、ずっと変わらない現実です。

その結果、採用側の判断軸も「理想的な経歴か」より「早く来てくれるか」「現場に馴染んでくれそうか」に傾いています。転職回数が多いからといって、それだけで書類を落とされることは稀です。

もちろん、回数があまりにも多い場合や短期離職が続いている場合は、確認されることがあります。でも「3回転職している=問題がある人」という見方は、少なくとも今の看護師転職市場では当てはまらないことが多いです。

転職回数を過度に心配するより、「なぜ転職したか」「その転職から何を得たか」を整理しておく方が、よほど面接で役に立ちます。


転職回数より「なぜ辞めたか」の方が大事

採用側が気にしているのは、回数よりも「またすぐ辞めそうかどうか」です。言い換えると、退職の理由に一貫性があるかどうかを見ています。

「なんとなく辞めた」「人間関係が嫌になった」の繰り返しだと、採用側は「また同じことが起きそうだ」と感じます。一方で「この経験がしたくて移った」「こういう働き方を求めて動いた」という軸があると、たとえ転職回数が多くても納得感が出ます。

私自身の転職は1回だけで、精神科身体合併症病棟から地域包括ケア病棟へ移りました。面接前は、経歴をちゃんと見てもらえるように丁寧に整理していきました。でも実際の面接は、あっという間に「いつから来られますか?」という話になりました。

正直、少しがっかりしました。「歯車として要員がほしいんだな」と感じたのも事実です。ただ同時に、「転職回数が問題になる場面は、思ったより少ないのかもしれない」とも思いました。

採用側の視点で考えると、転職を繰り返している人に対して感じるのは「なじめない人なのかもしれない」という不安です。その不安を和らげるのは、回数を減らすことではなく、「この人はちゃんと考えて動いてきた」と伝わる言葉を用意しておくことです。その場その場で実績や成果を積んでいる人は、回数が多くても印象が変わります。


面接で転職回数を聞かれたときの答え方

面接で「何回転職されていますか」と聞かれたとき、言い訳のように話す必要はありません。ただし、理由をちゃんと持っておくことは大事です。

基本の答え方の流れとしては、

  1. 事実を正直に伝える
  2. それぞれの転職に「どんな目的や考えがあったか」を一言添える
  3. 今回の転職でどこに軸を置いているかを伝える

という形が自然です。

「前向きな言い方に変換する」ことに力を入れすぎると、どこか作った感じになります。それよりも「自分がどう考えて動いてきたか」を素直に話す方が伝わります。

もし転職ごとに学んだことや得たものがあれば、それを一つ伝えるだけで印象はかなり変わります。「環境が変わるたびに分からないことを一つずつ確認してきた」という姿勢は、十分に説得力になります。

面接全体の対策については、看護師の転職面接で聞かれることと答え方もあわせて参考にしてみてください。


回数が多いからこそ見えることもある

転職を繰り返してきた人には、一つの職場にずっといた人には見えないものがあります。それは「比較できる」ということです。

「あの病棟はこういう雰囲気だった」「あそこはこういう働き方だった」という経験が積み重なると、自分が本当に合う環境の解像度が上がります。「なんとなく合わない」ではなく、「ここが合わない」「これは必要」と具体的に言語化できるようになります。

私は今まで4つの科を経験してきました(ICU・精神科・身体科・地域包括ケア)。若い頃は「勉強したい・経験したい」という気持ちで病棟を選んでいました。でも15年かけて気づいたのは、「いかに自分が楽しく働けるか」がとても大切だということです。

今の自分の軸は「ゆっくりと患者一人ひとりと向き合える環境」です。これは複数の科を経験したからこそ、自分の言葉で言えるようになりました。最初から分かっていたわけではなくて、動いた数だけ見えてきたものです。

転職を繰り返してきた人が「あちこち動いた自分」を後ろめたく感じることがありますが、経験した環境の数は、そのまま自分に合う場所を見つけるための情報量です。

40代の転職を考えている方向けには、経験年数が長い人の転職についてまとめた40代看護師の転職も参考になると思います。


転職を繰り返さないために

転職回数を気にしすぎなくていい、と言いつつも、「できれば今度は長く続けたい」と思っている人も多いと思います。

転職を繰り返す理由の多くは、「何を求めていたか」が曖昧なまま動いてしまうことです。職場環境・人間関係・業務内容・給料・勤務体制、どれを重視するかによって、合う職場の形は変わります。

整理するとしたら、「何を求めるか」より「何を避けたいか」を先に明確にする方が実用的です。なぜなら「求めるもの」はふわっとしがちですが、「過去に辞めたくなった理由」はかなり具体的だからです。

  • 夜勤の多さに限界を感じた
  • 指示が一貫しない管理職に疲れた
  • 患者との関わりが少なすぎてつらかった

こういった「自分が辛くなるポイント」をリストにしておくと、次の転職先を選ぶ基準になります。

転職で後悔を繰り返したくない方には、看護師の転職で後悔しないためにも読んでみてください。また、過去の転職体験から学べることをまとめた看護師転職で後悔した体験談も、判断の参考になると思います。


何回転職しても看護師の経験は積み上がっている

転職を繰り返すことで、「キャリアがバラバラになる」と感じることがあります。一つの科を深く極めてこなかった自分を、不安に思う人もいるかもしれません。

でも、経験は消えません。

私が新しい科に入るたびに思っていたのは「分からないことは勉強する。わからないことは確認する。それにつきる」ということです。不安はいつもありました。「自分がここで通用するのか」という感覚は、4科目に入るときも消えませんでした。

でも、新しい環境に飛び込むたびに、その科のことを一から学んで、確認して、少しずつ慣れていく。そのプロセスを何度か踏んできたことで、「知らない環境に入ることへの耐性」みたいなものは少しずつついてきた気がします。

転職回数が多い人は、環境への適応を繰り返してきた人です。それはキャリアの断絶ではなく、選択の積み重ねです。どの職場でも、自分が学んだこと・感じたこと・やってきたことは確かにあります。

回数で自分のキャリアを否定しなくていいと思います。


FAQ

看護師の転職回数、何回から多いと見られる?

一般的には3〜4回以上で「多い」と感じる採用担当者もいると言われています。ただ、看護師業界では転職自体が珍しいことではなく、回数だけを理由に落とされることは少ないです。

私の実感としても、面接で転職回数をじっくり掘り下げられることはなく、「いつから来られますか」という話に早々に移りました。回数そのものより、「この人は職場に合いそうか」「すぐ辞めなさそうか」という雰囲気が見られている感じでした。

もし回数が気になるなら、それぞれの転職に「考えてそうした」という文脈を用意しておくことが、何より安心につながると思います。


まとめ

転職回数は、確かに採用側の目に入ります。でも、回数そのものが決定的な不利になるかというと、今の看護師転職市場ではそうでないケースの方が多いです。

大事なのは、回数ではなく「なぜ辞めたか」「何を得てきたか」「次に何を求めているか」です。

転職を繰り返してきたことを後ろめたく感じている人がいたら、少し視点を変えてみてほしいと思います。複数の環境を経験してきたことは、自分に合う働き方の解像度が上がっているということでもあります。

自分の軸を持って、次の一歩を踏み出してみてください。

看護師専門の転職サービスを使うと、転職回数を含めた自分の状況を相談しながら求人を探すことができます。よかったら活用してみてください。

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ハロ
看護師歴15年。ICU・外科病棟・精神科身体合併症病棟・地域包括ケア病棟と4科を経験。現在も現役で病棟勤務をしています。 特に精神科身体合併症病棟では12年勤務し、精神疾患を抱えながら身体合併症の治療を要する患者さんと向き合ってきました。看取り、認知症ケア、終末期、急変対応――現場でしか得られないリアルを大切に、自分の体験と感情を正直に書くブログを運営しています。 「正解を教える」のではなく、「同じ目線で一緒に考える」スタンスで、読者の方が少し楽になる文章を目指しています。 【主な発信テーマ】 ・看護師のキャリアと転職 ・精神科看護のリアル ・看護師のメンタルヘルス ・現場で感じた違和感や気づき
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