看護師の夜勤で体調がおかしい。無理を続けないで
夜勤明けに、なぜか眠れない。
眠れないから、お腹を満たして眠たくさせようとご飯を食べる。眠れたのはいいけれど、昼過ぎに起きたら気分が上がらない。ダラダラしているうちに夕方になって、「また一日を無駄にした」という罪悪感が残ったままその日が終わる。
これが私の夜勤明けのパターンです。精神科でも、今の地域包括ケア病棟でも、月4回の夜勤が15年続いてもずっとこうです。
体が夜勤に慣れることはありませんでした。少なくとも私には。
夜勤で体調がおかしくなるのは、体が正直に反応しているだけ
「夜勤が体に合わない気がする」と感じたとき、なんとなく「自分が弱いからだ」と思ってしまうことがあります。でもそれは、あまりにも体に失礼な考え方です。
人間の体は本来、夜は眠り、昼に活動するようにできています。体内時計(概日リズム)が、睡眠・体温・ホルモン分泌のタイミングを調整しているからです。夜勤はこのリズムを強制的に逆転させる作業です。体は正直に「おかしい」と反応するだけで、それは甘えでも弱さでもありません。
夜勤のつらさ全般については看護師の夜勤がつらいと感じる理由でも書いていますが、この記事では体調という軸に絞って整理したいと思います。
夜勤が引き起こす体調不良の種類
睡眠の問題
夜勤明けに眠れない、眠れても浅い、寝起きが悪い。これは多くの看護師が感じていることだと思います。夜勤中に覚醒していた体は、帰宅後すぐにはスムーズに休めません。眠れないから眠れるように工夫する、という余分な手間が毎回発生します。
私の場合は「食べて眠たくさせる」という方法に落ち着いていますが、それが次の問題につながっています。
食事量と体重の変化
夜勤明けにどうしても普段の2倍くらい食べてしまう。これは体感として明確に感じています。眠るために食べているのに、その量が積み重なって体重の変化につながっていく。数字として目に見えるぶん、自分でも「あ、これはおかしいな」と気づきやすい症状です。
食欲の調整が効きにくくなるのも、体内時計の乱れと関係しています。深夜の活動は、食欲に関わるホルモンバランスにも影響を与えるとされています。
気分・メンタルへの影響
身体的な症状より、私が気になるのはこちらです。昼寝から起きたときのテンションの低さ、気分の上がらなさ。ダラダラしてしまう感覚。「何かしようと思うけど、何もする気になれない」状態です。
これは怠けているわけではありません。睡眠の質が落ちると、感情の調整機能も影響を受けます。夜勤明けの特有のだるさは、身体だけでなく気分にも出てきます。
免疫力と体の慢性的な疲れ
睡眠不足や生活リズムの乱れは、免疫機能の低下につながります。夜勤をしている看護師に「風邪をひきやすい」「なんとなくずっと疲れている」という感覚を持つ人が多いのも、ここが関係しています。
夜勤の体調管理でできること
正直に言います。15年夜勤をしていますが、特に工夫していることはほとんどありません。コーヒーを飲む程度です。
一般的に言われる対策としては、仮眠の取り方(2〜4時間の短時間仮眠)、帰宅時の光を避けること(サングラスなど)、食事のタイミングを整えること、休日の過ごし方を工夫することなどがあります。
試してみる価値はあります。ただ、「対策さえすれば夜勤の体への影響はなくなる」と思わないほうがいいとも感じています。対策はあくまで対症療法の範囲です。体内時計の根本的な逆転を完全に解消することは難しい。
体が悲鳴を上げているときは、受診も選択肢のひとつです。不眠なら内科または心療内科、胃腸の不調なら消化器内科が相談窓口になります。まずはかかりつけ医に話して、必要に応じて専門科に紹介してもらう流れが一般的です。
「夜勤なし」という選択肢
夜勤なしで働ける職場はあります。クリニック、デイサービス、健診センター、産業保健(企業の健康管理室)などです。
ただ、現実として夜勤手当がなくなると収入が下がります。月4回の夜勤なら、手当だけで月3〜4万円前後の差が出るケースもあります。年収に換算すると40万円前後の違いです。看護師の年収と夜勤手当の関係を整理した記事でも触れていますが、夜勤手当は看護師の収入の中でかなりの比重を占めています。
クリニックへの転職は「夜勤なし」を目指す代表的な選択肢ですが、クリニックへの転職で書いているように、メリットだけではない面もあります。給与体系や仕事内容の変化も含めて、自分に合うかどうかを考える必要があります。
夜勤なしの働き方を選んだとしても、それは「体に合わない働き方を手放した」という話であって、看護師として何かを諦めたわけではありません。
体調を犠牲にして働く意味はあるのか
40代はまだ頑張れると思っています。でも、50歳を超えて今と同じペースで夜勤ができるとは、正直思えません。
今のところ月4回でなんとかやっていますが、「なんとかやっている」という状態です。夜勤をやめたいという気持ちは、ずっと心の片隅にあります。
これは私だけではないと思います。「今はまだいける。でも、あと何年続けられるか」という感覚を持っている看護師は、多いのではないでしょうか。
長く看護師を続けるために、体を壊さない働き方を選ぶことは、前向きな判断です。「逃げ」ではありません。体を守ることは、長期的に患者さんの前に立ち続けるための条件でもある、と最近は考えています。
どうしても体がきついと感じている場合は、休職という選択肢もあります。看護師の休職と復帰についても参考にしてみてください。
まとめ:無理を続けることが「普通」ではない
夜勤明けに眠れなくて、食べて眠たくさせて、昼寝から起きたらテンションが低くて、「また一日を無駄にした」という罪悪感で終わる。この流れを毎回繰り返していても、誰も褒めてくれません。誰にも見えません。
体が正直に反応しているのに、「慣れていないだけ」「甘えだ」と押し込もうとすることが、一番体に悪いかもしれません。
夜勤なしの働き方を考えているなら、夜勤なしで働ける職場の選び方も一度読んでみてください。すぐに動く必要はないけれど、選択肢を知っておくだけで、少し気持ちが楽になることもあります。
夜勤を続ける意味と体への負担、あなたはどんなバランスで考えていますか。
よくある質問
夜勤が体に合わないとき、何科を受診すればいいですか?
不眠や疲れやすさが続く場合は、まず内科または心療内科が相談しやすい窓口です。胃腸の不調が出ているなら消化器内科になります。いずれも、まずはかかりつけ医に話して、必要に応じて専門科を紹介してもらう流れが一般的です。
「夜勤があってリズムが乱れている」とそのまま伝えていいと思います。説明が難しければ「睡眠のリズムが崩れている」と伝えるだけでも、医師は状況を理解してくれます。
夜勤の回数を減らしてもらうことはできますか?
労働基準法上、夜勤回数の上限は明確に定められていませんが、師長への相談で回数を調整してもらえるケースはあります。「体調上の理由で月○回以上は難しい」と具体的に伝えるのが基本で、かかりつけ医の診断書があると交渉がしやすくなります。
相談のタイミングは、体調がある程度安定しているときのほうが話を聞いてもらいやすいです。「辛くてもう限界です」という状態になる前に早めに動いた人のほうが、話がまとまりやすいことが多いです。