看護師の転職、20代ならではの強みと迷い
20代で転職を考えているとき、こんなことが頭をよぎりませんか。
「もう少し経験を積んでからの方がいいのかな」
「キャリアの方向性も決まっていないのに、動いていいのかな」
「早すぎると思われないかな」
気持ちはあるのに、なかなか一歩が踏み出せない。そんな方に向けて、15年目の看護師として感じていることを書いてみます。
20代の看護師が転職を考えるとき
20代で転職を考えること自体は、今の看護師の世界ではまったく珍しいことではありません。
1〜3年目で職場が合わないと感じる方、人間関係に消耗している方、もっと違う科を経験してみたいと思う方。理由もさまざまで、「転職したい」と思う背景も人それぞれです。
「若いのに転職するの?」という目を気にする気持ちはわかります。でも実際には、20代のうちに環境を変えることを選んだ看護師は多いです。
初めての転職で不安な方は、看護師の初めての転職 も参考にしていただけると思います。
20代の転職の強み
転職市場で見ると、20代の看護師は需要が高い年齢帯です。
体力・適応力があるのは大きな強みです。新しい科や職場環境への順応スピードが速く、未経験の分野にもチャレンジしやすい。即戦力とまではいかなくても、「これから育てたい」と思ってもらえる年齢です。
選択肢が広いのも20代ならではです。急性期から慢性期、病院からクリニック、訪問看護から施設まで、どの方向にも動きやすい。この幅は、経験年数が増えるほど少しずつ狭くなっていきます。
30代の転職と比べると、看護師の転職、30代は遅くない でも書いていますが、20代にはフットワークの軽さという独自の強みがあります。
20代の転職で気をつけたいこと
一方で、「とりあえず今の職場から出たい」という気持ちだけで動くのは、後で後悔するリスクがあります。
辞めたい理由と、求めているものを整理するのは、動く前に必要な作業です。「今の職場の何が合わないのか」「次の職場に何を求めているのか」を言語化しておくと、転職先を選ぶときに迷いにくくなります。
短期離職が続くと、次の転職に影響することがあるのも現実です。1〜2年で複数回転職を繰り返すと、採用面接で説明を求められることが増えます。「なぜ辞めたのか」「次はどうしたいのか」を自分の言葉で答えられる状態で動くことが大切です。
転職のタイミングについて整理したい方は、転職のタイミングの考え方 を先に読んでみてください。
「もう少し経験を積んでから」は正解か
「石の上にも三年」という言葉があります。わたし自身は、これに半分賛成・半分反対です。
わたしは1年目をICUで過ごしました。先輩が怖くて、ずっと辞めたいと思っていた時期です。先輩によって言うことが違って、何をやっても怒られる感覚があって、「がんばっても怒られてばかり。何をやっても怒られると思うと周りが怖くて仕事に取り組めなかった」という状態でした。ミスも増えていきました。
なぜ辞めなかったかといえば、「他の仕事をやる勇気がなかったから」。今もその気持ちはあります。正直に言えば、逃げるのが怖かっただけです。
でもその後、精神科に異動してから、辞めたいと思わなくなりました。人間関係が良かったから。3年目になって仕事を覚えて自分の判断で動けるようになったから。「辞めたい」という感覚がなくなっていきました。
振り返ると、3年続けることに意味がゼロだったとは思いません。仕事を覚えた手応えも、幅広い体験も、確かにありました。でも「3年耐えること」が正解かというと、それはまた別の話です。
環境が変われば、感じ方も変わるのだとあのとき知りました。
1年目でどうしても職場が合わないと感じている方は、看護師1年目で辞めたい方へ も読んでみてください。「働きやすい職場を探す」という選択肢を、頭の隅に置いておいてほしいと思います。
キャリアの方向性が決まっていなくてもいい
「やりたい科が決まってから転職する」という考え方は、よくわかります。でもそれを待っていると、ずっと動けない可能性があります。
わたしが精神科に入ったのは、自分で選んだのではなく、異動でした。「仕方ない」と受け入れた移動です。入る前は「自分は精神科に向いていないと思う。働けるかどうか不安だ」と感じていました。
でも実際に入ったら、楽しかったのです。ICUとの違いで処置が少なく落ち着いて働けることが、自分に合っていると感じました。異動してすぐ気づきました。
キャリアは、計画通りに進むものではないと思っています。自分で選んだわけでもない環境が、結果的に合っていることもある。反対に、「これをやりたい」と思って入った場所が合わないこともある。
「やりたいことが決まっていなければ転職できない」のではなく、環境を変えることで見えてくるものもある、ということをわたし自身が経験しています。
20代で転職する自分を否定しなくていい
15年目の今、20代に転職を考えている方に伝えたいことを正直に書きます。
わたし自身は、20代で転職しませんでした。14年間、同じ職場で働き続けました。36歳になって初めて転職しました。
今から振り返ると、「早く行動してもよかった」と思うことがあります。もちろん長く同じ場所にいたから得られたものもあります。でも、もっと早く動くことへの怖さを手放せていたら、違う景色を見られたかもしれないとも感じています。
わたし自身は動けなかったけれど、今は、動くことは逃げではなく選択だったと思っています。
それに、看護師という資格があります。違う職場に行ってみて、合わなければまた動ける。異業種に出てみたとしても、看護師免許は残ります。いつでも看護師に戻れる、無職になる心配はない。この安心感は、他の仕事にはあまりない強みだと思っています。
「行動せんとなんも変わらないよ」
これは過去の自分に言いたかった言葉です。同時に、今動こうかどうか迷っている方にも、同じ言葉を送りたいと思います。
まとめ
20代で転職を考えることは、珍しいことでも早すぎることでもありません。
- 20代には体力・適応力・選択肢の広さという強みがある
- 「石の上にも三年」は一つの考え方だが、環境を変えることで感じ方が変わることもある
- キャリアの方向性が決まっていなくても、動くことで見えてくるものがある
- 看護師は転職しても戻れる。動くことへの敷居は低い
一歩踏み出す前に、情報収集から始めてみるだけで視野が変わることがあります。どんな求人があるか、どんな職場が選択肢にあるか、転職サイトを見てみるだけでも景色が変わります。
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迷いながらでも、一緒に進んでいきましょう。