転職を決めて、いざ面接を申し込もうとすると、急に不安になってくることがあります。

「何を聞かれるんだろう」「退職理由、正直に言っていいのかな」「そもそも面接なんて新卒のとき以来だし……」

看護師として10年以上働いていても、面接だけは場数が少ないままです。病棟では頼られていても、面接室に入ると急に緊張してしまうのは、きっと自分だけじゃないと思います。

私自身も転職のとき、同じことを思っていました。

今回は、実際に面接を経験して感じたこと、退職理由をどう伝えたか、そして面接で感じたちょっと複雑な気持ちも含めて、ありのままに書いてみます。模範解答ではなく、一人の看護師の実体験として読んでもらえたらうれしいです。


看護師の転職面接で実際に聞かれたこと

面接で聞かれる内容は、だいたいこのあたりが多いです。

  • 志望動機
  • 退職理由
  • これまでの経歴・担当してきた業務
  • いつから勤務が可能か
  • 夜勤は可能か
  • 自分の長所・短所
  • 逆質問(面接官への質問)

一般的な面接と大きく変わらないように見えますが、私が実際に受けてみて、少し拍子抜けした点がありました。

経歴の話は、思っていたよりあっさりと終わりました。「どんな病棟で働いていましたか」とひと通り確認された後、すぐに「いつから来られますか?」という話になったんです。

それについては後の見出しで詳しく書きます。

面接の流れとしては、志望動機と退職理由が中心で、あとは勤務条件の確認に多くの時間が使われる印象でした。事前にこの2つをきちんと整理しておくだけで、かなり落ち着いて臨めると思います。


退職理由をどこまで正直に言うか

これが、転職を考えている人の多くが一番悩む部分ではないでしょうか。

私の本当の退職理由は、師長との人間関係でした。

日常的に積み重なっていた小さなすれ違いと、どうにもならない感覚。言葉にするのが難しいのですが、「この職場では自分の居場所がないな」という気持ちが積み重なって、転職を決めました。

でも面接では、その話はしませんでした。

志望動機と同じ内容で——「退院支援をもっと学びたい」という方向で答えました。

迷わなかったといえば嘘になります。正直に話そうかとも思いました。でも考えていたのは、「正しいかどうか」より「話して採用に向け自分が得になるかどうか」でした。

人間関係のトラブルを話すと、「この人はどこに行っても同じことになるのでは」と思われるリスクがある。それを面接官に与えてしまうのは、自分にとってマイナスでしかない。

そう判断して、話さないことにしました。

これは「嘘をつく」とは少し違うと思っています。退院支援を学びたいというのも、実際に感じていたことです。本当のことを角度を変えて伝えた、という感覚に近い。

正直に話すことが美徳とされる場面はたくさんあります。でも面接は、自分をよく見せるための場でもある。何もかも話す必要はないし、「自分が損をしない選択をする」という判断は、甘えでも逃げでもないと私は思っています。


志望動機の作り方

退職理由と志望動機は、表と裏の関係にあります。

「なぜ今の職場を辞めるか」の反対側に、「新しい職場に求めていること」があるからです。

師長との人間関係で消耗していた私にとって、「チームで話し合える環境」や「自分の意見を言いやすい職場」が、本当に求めていることでした。それを「退院支援を通じてチームで連携しながら働きたい」という言葉に変換しました。

作り方としては、こんな流れが使いやすいです。

  1. 今の職場で「しんどい」「嫌だ」と感じていることを書き出す
  2. その裏返しを「自分が求めていること」として言語化する
  3. 転職先で実現できることと結びつける

志望動機の考え方について、もう少し詳しくまとめた記事もあります。本記事では「面接の場でどう伝えるか」に絞っていますが、動機の作り方のプロセスから整理したい方は合わせて読んでみてください。

志望動機の考え方について詳しく読む

また、志望動機の書き方パターンや実際の言い回しを知りたい方はこちらも参考にどうぞ。

看護師の転職志望動機、本音と建前


経歴は意外と見られていなかった

これは、正直に言うとがっかりしたことです。

14年以上、複数の科で働いてきた経験があります。転職の面接では、その経歴をちゃんと見てもらえるものだと思っていました。「どんな経験があるか」「どんな患者を担当していたか」そういう話を聞いてもらえると期待していました。

でも実際には、経歴の確認はあっさりと終わり、すぐに「いつから来られますか?」という話になりました。

「私の経歴には関係なく、ただ早く要員がほしいんだなと思って、がっかりした」——それが正直な気持ちです。

ただ、後から考えてみると、それが看護師の転職市場のリアルでもあるのかなとも思います。どの病院も人手不足で、「いつ来られるか」は現場にとって最重要事項です。経歴の中身より「すぐに来られるか」が最初の関心事になるのは、ある意味で現場の切実さの表れでもある。

がっかりした気持ちは変わらないし、それでよかったとは思わないけれど、そういう現実があることは知っておいた方がいいと思っています。

一般企業の面接とは違う、と感じた瞬間でした。

履歴書の書き方や経歴の整理方法については、こちらも参考にどうぞ。

看護師の転職履歴書の書き方


面接で聞いておいた方がいいこと

面接は「聞かれる場」だけではなく、「自分が確認する場」でもあります。逆質問の時間は、自分を守るための情報収集の機会です。

入職してから「聞いていなかった」では取り返しがつかないこともあるので、気になることは面接のタイミングで確認しておくのがおすすめです。

確認しておくと安心な内容の例:

配属について
– 配属予定の部署はどこか
– 希望は考慮されるか

夜勤・残業について
– 月の夜勤回数の目安
– 残業はどのくらいあるか(「ほとんどない」という言葉は要確認)

職場環境について
– スタッフの定着率、離職率
– 入職後のフォロー体制

全部聞く必要はありませんし、聞きにくい雰囲気の面接もあります。でも「夜勤の回数」と「残業の実態」だけは、できれば確認しておきたいところです。

転職で後悔する理由の多くは「入ってみたら思っていた職場と違った」という入職後のギャップです。面接のときに少し確認しておくだけで、そのリスクはかなり減らせます。

転職の後悔体験については、こちらに詳しくまとめています。

転職で後悔しないために確認すべきこと


面接は怖いけど、看護師は受かりやすい

転職のとき、私が応募したのは1件だけでした。

「看護師はどこに行っても人手不足だから、願書を出せばすぐに採用は通る」と思っていたからです。実際に、1件の応募で通りました。

あの判断が正しかったかどうかは、今でも少し迷っています。1件だけで決めてしまったことで、比較する機会を持てなかった。複数受けていたら、もっとよい選択肢が見えていたかもしれない。「もう少し早く動き始めて、もう1〜2件受けてもよかったな」というのが正直な振り返りです。

ただ、一つ言えるのは、「落とされるかもしれない」という過度な不安は持たなくていいということです。人手不足の現場では、看護師の転職面接は比較的通りやすい。怖くて踏み出せないなら、まず1件申し込んでみるだけでいいと思います。

ただし、「どこでもいいから通ればいい」という気持ちで決めると、入職後に後悔する可能性があります。合格しやすいからこそ、「自分がどんな職場で働きたいか」を事前にはっきりさせておく方が大事です。

面接対策は、実は求人を選ぶ段階から始まっています。どの求人に応募するかによって、面接で何を聞かれるかも、自分がどう答えるかも変わってくるからです。

転職サイトを使うかどうかは人それぞれですが、求人の選び方で迷っている方には、こちらの比較記事が参考になるかもしれません。

看護師転職サイトのランキングと選び方


まとめ

看護師の転職面接で実際に感じたことを、できるだけそのまま書きました。

  • 聞かれることは志望動機・退職理由・勤務条件が中心
  • 退職理由は「正直に話す」より「自分にとって得かどうか」で判断してよい
  • 経歴は思ったより見られない。「いつから来られるか」が重視される
  • 逆質問の時間は自分を守るための確認の場
  • 受かりやすいからこそ、応募先を慎重に選ぶことが大事

面接の準備をしながら、何度も「どう言えば正解なんだろう」と考えました。退職理由を話さなかったことが正解だったのか、1件だけで決めてしまってよかったのか、今でもよくわかりません。

転職を検討している方が、少しでも気持ちが楽になるといいなと思いながら書きました。一緒にがんばりましょう。

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ハロ
看護師歴15年。ICU・外科病棟・精神科身体合併症病棟・地域包括ケア病棟と4科を経験。現在も現役で病棟勤務をしています。 特に精神科身体合併症病棟では12年勤務し、精神疾患を抱えながら身体合併症の治療を要する患者さんと向き合ってきました。看取り、認知症ケア、終末期、急変対応――現場でしか得られないリアルを大切に、自分の体験と感情を正直に書くブログを運営しています。 「正解を教える」のではなく、「同じ目線で一緒に考える」スタンスで、読者の方が少し楽になる文章を目指しています。 【主な発信テーマ】 ・看護師のキャリアと転職 ・精神科看護のリアル ・看護師のメンタルヘルス ・現場で感じた違和感や気づき
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