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「術後合併症、大腸がんの場合は何があるの?」
「大腸がんの術後看護、何をすればいいの?」
大腸がん術後は、合併症が起こりやすくできる限り予防、早期発見するケアが必要です。
この記事では、大腸がん術後において、起こりやすい合併症と、異常が起こると急変に繋がるリスクがあるところにポイントを絞って説明します。
記事を読み終えた時には、大腸がん術後看護の大切なポイントを学ぶことができ、異常や急変が起きても落ち着いて対応できるようになります。
【ポイント3つ】大腸がん、術後看護の大切なポイント
手術を受けた患者は術後、さまざまな合併症を起こす場合があります。
ですが、その中でも大腸がん術後において起こりやすい、起こると急変リスクがある術後合併症3つを説明します。
大腸がん、術後看護 3つのポイント
- 後出血
- イレウス
- 縫合不全
これら3つについて詳しく説明していきます
【術後看護ポイント】後出血
後出血には、手術操作によって起こる出血と、ストレスなどによる上部消化管出血があります。
後出血 観察のポイント
バイタルサイン
→急激な血圧・脈拍数の低下 尿量の低下
→意識レベルの低下 顔色・口唇の不良 末梢冷感 チアノーゼ
ドレナージ
→経鼻胃管やドレーンからの排液量・性状(100ml/h以上の出血あれば異常)
これらを注意し観察し、異常がみられたらすぐに医師に報告してください。
【術後看護ポイント】イレウス
大腸の手術は骨盤内に死腔ができるため小腸が落ち込みやすく、術後イレウスが起こりやすいと言われています。
腸閉塞になると体液・電解質の喪失による循環不全、腸内環境の悪化(バクテリアルトランスロケーション)によって敗血になる場合があります。
イレウス 観察のポイント
→腸蠕動音の聴取
→腹部膨満感・排ガスの有無
→悪心・嘔吐の有無
これら異常があれば医師に報告し、レントゲン検査で評価してもらう必要があります。
【術後看護ポイント】縫合不全
縫合不全とは、消化管をつないだ部分から消化液が漏れることです。
縫合部の血流障害や過度の緊張により、治癒が進まなかったときに起こります。
縫合不全 観察のポイント
→ドレーンからの性状(混濁や便汁様でないか)
→遷延する発熱(特に経口摂取、開始直後の発熱は要注意)
→腹痛・腹膜刺激症状の有無
腹膜刺激症状とは?
→腹膜に炎症などがおこるとみられる、特有の症状
代表的な2つの症状
筋性防御 腹部を軽く圧迫したときに、腹壁が緊張して硬くなる状態
ブルンベルグ兆候(反跳圧痛) 腹部を掌で徐々に圧迫していって、急に手を離すと、はっきりした痛みを感じる。
縫合不全が疑われる場合は、造影CTでの確認が必要になります。
縫合不全による腹腔感染を起こすと重篤な状態に陥るので、直ちに絶飲食にします。
ドレナージの効果があれば抗生剤加療で済みますが、効果がなければ再手術になります。
大腸がん術後の患者に看護師の私たちができること
大腸がん術後看護の大切なポイントを3つに絞って説明しました。
この3つのポイントは、看護師の私たちが普段の観察によって早く気づき対処ために必要なポイントです。
そして、もう一つ大切なポイントがあります。
それは早期離床を進め、回復を促すことです。
私にとって早期離床による回復を促すことが、とても大切だと考えています。
というのも、私の働く精神科身体合併症病棟では大腸がんに限らず、消化管手術を受ける患者が多く入院します。
しかし、その手術を受けた半数近くの患者が術後イレウスを発症します。
術後イレウスを起こす患者が多い理由は、普段から服用している精神科薬により腸蠕動運動が低下していことと、術後管理のために身体拘束を用いるため、一般的科の患者と比べ離床が遅れるからだと考えています。
一度、術後合併症を起こすと入院期間が長くなります。
です。
私たちの看護によって、患者が早くよくなり退院できるのなら、やらないわけにはいきません!
患者一人一人違いますので、すんなりと術後離床が進むわけではないですが、患者さんにより良い看護を行うために心に留めておいてください。
あとは一般的な周術期の術後看護を行えば大丈夫です!
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