「尿管結石砕石の手術を受ける患者さんの担当だけど、術後、何を観察すればいいの?」
「尿管結石砕石術後の患者さんが退院するけど、退院指導で何を説明すればいいの」
尿管結石砕石術を受ける患者の看護に自信を持っておこなえていますか?
多忙な業務の中、日々勉強をするのは難しく、慣れない疾患、術後の患者さんの担当になると不安に思いますよね。
この記事では10年以上、看護師として働くハロが、TUL(経尿道的尿管砕石術)の術後管理、退院指導の指導ポイントを、ちらっと見るだけで簡単に理解できるように、わかりやすく説明をします。
さらに、対外衝撃波結石砕石術(ESWL)・経費的腎砕石術(PNL)・尿管結石症患者の治療について、最後、ある1つのポイントを押さえておけば、尿管結石症患者の治療の術後管理には悩まないTUL,ESWL、PNLの治療を受けた患者の術後管理に共通する重要な看護ポイントを1つお伝えします。
この記事を読み終えれば、尿管結石症の患者を担当しても困らない、自信を持った看護を行えるようになります!
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【単純】TUL(経尿道的尿管砕石術)の術後管理と看護のポイント
TULとは?
TULとは、経尿道的尿管結石破砕術。
Transurethral(経尿道的) ureterolithotripsy(尿管砕石)の略です。
TULは麻酔をかけた状態で尿道から尿管鏡を挿入し、モニタを見ながら結石を破砕し、摘出する治療方法になります。
尿路結石を安全かつ確実に破砕・回収する根治性の高い手術方法です。
TULの術後管理のポイントは?
術後、気をつけるポイントは2つ。『出血』と『疼痛』です。
出血
手術による侵襲によって尿管が損傷し、出血を起こします。
出血を判断するのに必要な観察項目は『尿量』と『尿性状』です。
観察ポイント:尿量
尿の時間流出量(1時間当たりの尿量)が一定しているか。
- 尿の時間量が突然減った場合
→尿路が砕石片や血塊によって閉そくした可能性があり、早急に医師に報告が必要 - 血尿が突然多量にできた場合
→出血の可能性があり、早急に医師に報告が必要。
観察ポイント:尿性状
尿性状、血尿から徐々に正常な透明の尿へなっているか
- 血尿が持続する場合
→出血の可能性があり、早急に医師に報告が必要。
疼痛
主に、術後疼痛が起こる理由は2つ
- 尿管カテーテルを留置することで膀胱刺激症状が起こり、尿切迫感や下腹部痛が起こる。
- 手術による侵襲による尿管浮腫によって、水腎症が起こり、腹痛の痛みが生じることがある。
痛みがある場合は、必要に応じて鎮痛剤の使用を行う。
TULの術後患者への退院指導は?
指導すべきポイントは『積極的に飲水をして利尿を促す』こと。
残存している結石の自然排石を促すとともに、再発予防のために、飲水を積極的に行い、利尿を促す。
【要点】TUL以外の尿管結石症患者の治療と看護
ESWL(体外衝撃波結石砕石術)術後管理と看護
ESWL(体外衝撃波結石砕石術)とは、体外発生させた衝撃波を結石に収束させ砕き、結石片を尿とともに自然排泄させる方法。
手技の簡易さ、侵襲の低さより治療の第一選択になる。
術後管理のポイント
ESWLの術後管理のポイントは『出血』
ESWL実施時、衝撃によって皮下出血が出現する。時間経過とともに消退。
まれだが、術後、腎臓と腎臓を覆う膜に血腫ができる『腎被膜下血腫』が起こる
多くの場合は安静・保存的に様子観察する。
※あとは、TULの術後管理のポイントと同じ。
PNL(経皮的腎砕石術)術後管理と看護
PNL(経皮的腎砕石術)とは経皮的に作成した腎瘻から内視鏡を挿入し、結石を砕く方法
術後管理のポイント
経皮的に腎臓へ侵襲を加えるため、どの砕石術よりもリスクが高い術式。
術後出血、感染リスクが高く、出血した場合は急変リスクがあることを念頭に管理する必要がある。
※あとは、TULの術後管理のポイントと同じ。
【まとめ】これ1つを押さえておけば術後大丈夫!尿管結石症患者の看護
以上が、尿管結石症患者に行われる治療と術後管理に必要なポイントです。
尿管結石症患者の術後管理で一番大切なのは『尿の観察』です。
というのも、術後、一番気をつけなければならないのは、結石片や血塊によって尿路が塞がる『尿路障害』です。
『尿量が一定量、安定して流出しているか』
『尿性状、血尿が徐々に薄くなっているか』
そうであれば『正常』ですが、そうでなければ『異常』であり、早急な対応が求められます。
その他に関しては感染や疼痛など一般的な術後管理に準じれば大丈夫です。
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