看護師の転職時期はいつがベスト?15年目の現役ナースが考えること

「3年は続けるべき」は本当か。15年・4科経験の現役看護師が、強制異動と自主転職の両方を経験して感じた、転職タイミングへの正直な考えを書きます。

スマートフォンを見ながら考える男性看護師
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目次
  1. 看護師の転職に「ベストな時期」はあるのか
  2. 月別に見る看護師の求人動向
  3. 求人が多い時期(1〜3月・7〜9月)
  4. 求人が少ない時期と、それでも動いていい理由
  5. 「何年目で転職すべきか」への考え方
  6. 「3年は続けるべき」は本当か
  7. 経験年数よりも「何を経験したか」が大事
  8. 1年目・3年目・5年目・10年目以上、それぞれの判断ポイント
  9. 自分にとっての「転職のタイミング」を判断するヒント
  10. 「辞めたい」が一時的な感情か、ずっとあるものか
  11. 異動で解決するケースもある
  12. ボーナス・有給・退職金を考慮する現実的な視点
  13. 転職時期を決めたあとの動き方
  14. 転職活動は在職中に始めた方がいい
  15. 退職を伝えるタイミングと準備
  16. 迷っている時間も無駄じゃない
  17. 「タイミングは良かったのかもしれない」と思っている
  18. よくある質問
  19. Q1. 年度途中で転職すると、採用側に悪い印象を持たれますか?
  20. Q2. 4科経験があると転職で有利になりますか?異動が多いとマイナスにならないですか?
  21. まとめ

「転職したいけど、今じゃないのかな」と思いながら、ずっと先延ばしにしていた時期があります。

「年度末まで待つべき?」「3年続けてから?」「こんな経験年数で転職なんて早すぎる?」と、理由をつけては動けずにいました。

自分が動けたのは、友達のたった一言がきっかけでした。「次に行っても大丈夫よ」——それだけで、2〜3年悩み続けた気持ちが動いた。

転職のタイミングに、万人共通の正解はないと思っています。でも、迷っている人に少し参考になるかもしれない自分の経験と、知っておくと動きやすくなる基本的な情報を、ここにまとめます。

看護師の転職に「ベストな時期」はあるのか

多くのサイトには「1〜3月が転職のベストシーズン」と書いてあります。求人数が増える時期なので、選択肢が広がるという意味では確かにそうです。

ただ、「1〜3月に転職する人が一番うまくいく」かというと、そういう話ではないと思います。求人が多い時期に動けるのが理想ですが、自分のしんどさが限界に近いのに「タイミングじゃないから」と待ち続けるのは、また別の話です。

自分自身のことを振り返ると、転職を考えていた時期に「今は繁忙期だから」「もう少し落ち着いたら」と、ずっと先延ばしにしていました。結局、転職したのは求人動向を見て決めたわけではなく、「もう限界だった」という自分の状態が先にありました。

転職市場の動きは参考情報として持っておく、くらいがちょうどいいと今は思っています。

月別に見る看護師の求人動向

求人が多い時期(1〜3月・7〜9月)

看護師の求人が増える時期は、大きく2つあります。

1〜3月は、年度末に退職する看護師が増えるため、4月入職に向けた求人が集中します。多くの病院が一斉に募集をかけるため、転職先の選択肢が広がりやすい時期です。転職活動を始めるなら、この波に乗れる動き方が有利です。一般的に、転職活動は2〜3ヶ月かかることが多いので、逆算すると10〜11月頃から情報収集を始めるのが目安になります。

7〜9月は、夏のボーナス(6月支給が多い)を受け取ってから退職する人が増えるため、そのぶん求人も動きます。1〜3月ほど大きな波ではありませんが、もう一つの動きやすい時期です。

求人が少ない時期と、それでも動いていい理由

4〜6月と10〜12月は、相対的に求人の数が減る時期です。

ただし、看護師は慢性的な人手不足です。求人が「少ない」と言っても、完全になくなるわけではありません。むしろ、この時期に動くメリットもあります。応募する人自体が少ないため、じっくり選んでもらいやすかったり、競争が少ない分、面接に進みやすかったりします。

「求人が少ない時期だから動いてはいけない」ということはないので、自分の状況が動ける状態になったタイミングで動くのが、結局は一番現実的です。

「何年目で転職すべきか」への考え方

「3年は続けるべき」は本当か

「3年は続けるべき」と、よく言われます。自分も聞いたことがあるし、最初の職場では頭にありました。

この点について、自分の考えを正直に言うと——「その通りだとは思う。けど、自分が嫌な思いをしてまで3年も働く必要はない。どこへ行っても看護技術は学べるし実践できる。大切なのは自分が楽しく働けるかだと思う」。

3年間で身につくことは多いし、経験を積む時間は無駄にはならない。でも「3年未満で辞めた=マイナス」という受け取り方は、自分はあまりしていません。転職した場合のマイナス評価のリスクが完全にゼロとは言えませんが、「何年いたか」より「何を学んだか」で自分を説明できるなら、年数だけを気にしすぎる必要はないと思っています。

経験年数よりも「何を経験したか」が大事

自分は今の職場を含めて、外科・ICU・整形・精神科身体合併症病棟と、複数の科を経験してきました。

そのうちの一つ、ICUは入職時の配属でした。覚えることが多く、緊急時の対応も求められ、正直ついていけなかった。2年目に上からの命令で異動になりました。自分で選んだわけではなく、命令での異動です。

その経験が「失敗」だったかというと、今はそう思っていません。ICU時代は身体疾患や解剖整理などいろんなことを勉強した。そのときに勉強したことが、その後の科でも役に立ちました。「どの科にいたか」よりも「そこで何を経験したか」の方が、自分のなかに残るものだと感じています。

転職を考えるとき、「まだ経験が浅いから」と思うこともあるかもしれません。でも年数よりも、今いる場所で自分が何を学んでいるか、何に行き詰まっているかの方が、転職タイミングを判断する材料になると思います。

1年目・3年目・5年目・10年目以上、それぞれの判断ポイント

年数によって、転職を考えるときの状況は少し違います。

1年目は、基礎の習得と職場への適応が同時に求められる時期です。しんどくなりやすいですが、「職場が合わない」と「仕事そのものが合わない」を分けて考えることが一つの判断材料になります。1年目の転職については別の記事でも書いていますので、参考にしてみてください。

3年目は、ひとつの区切りを感じやすい時期です。「次どうするか」を考え始めるタイミングとして、自然な動機が出てくる頃です。

5年目前後は、中堅として経験と自信が出てくる一方、マンネリを感じたり、ほかのキャリアへの関心が出てきたりすることがあります。動くとすれば比較的動きやすい時期です。

10年目以上は、専門性が高まっている反面、「今更転職できるのか」という迷いが出やすいと思います。ただ、経験豊富な看護師の需要は常にあります。年数を理由に「もう遅い」と思う必要はないです。自分が14年目で転職したときも、それを感じました。

自分にとっての「転職のタイミング」を判断するヒント

「辞めたい」が一時的な感情か、ずっとあるものか

「辞めたい」という気持ちは、誰でも一度は経験すると思います。ただ、それが一時的なものか、ずっと続いているものかで、意味が違います。

自分の場合は、14年目で転職するまでの2〜3年間、ずっと辞めたかった。職場の師長との折り合いが悪くて、仕事がつらい状態が続いていました。「辞めたい」が消えることなく続いていた、というのが一時的でない状態の実感です。

一方で、夜勤明けの疲弊したときや、ミスをした直後に「もうやめたい」と思うことは、全然別の話だと思います。休んだら回復するもの、状況が変われば落ち着くものであれば、すぐに判断しなくていい。夜勤のしんどさそのものについてはこちらの記事でも書いています。

「今すぐ辞めたい気持ちがある」と「何ヶ月も辞めたいが続いている」では、重みが違います。後者の状態が続いているなら、動くことを真剣に考えていい段階だと思います。

異動で解決するケースもある

転職だけが選択肢ではありません。院内で科を変える「異動」という選択肢もあります。

自分はICUから異動したとき、それは選んだ異動ではありませんでした。ただ、ICUで身体疾患や解剖整理などいろんなことを勉強していたことが、その後の科で役に立ちました。科が違えば、人間関係も仕事の流れも変わります。

14年目の転職を振り返ると、辞めたくなった直接の理由は師長との人間関係でした。師長以外との関係は問題なかった。師長がいなければ、もっと続けていたかった——そう思える職場だったからこそ、「院内の立場や関係が変わったら」という可能性が一度は頭をよぎりました。

こういうケースでは、異動で状況が変わる可能性があります。もし「職場全体が嫌」ではなく「特定の人間関係が嫌」という状況なら、院内異動で解決するかどうかを一度考えてみる価値はあると思います。

ボーナス・有給・退職金を考慮する現実的な視点

転職のタイミングを決めるとき、感情だけでなく現実的なお金の話も外せません。

ボーナスは、多くの病院で6月と12月に支給されます。「受け取ってから退職する」という判断は、現実的に合理的です。ただし、支給条件(在籍日数、支給日に在籍しているかどうか)は就業規則によって違うので、事前に確認しておく必要があります。

有給休暇は、退職前に消化できるよう、逆算してスケジュールを組むことが大事です。退職希望日から有給消化の日数を引いた日が、実質的な「退職の意思を伝えるリミット」になります。

退職金は、勤続年数によって支給条件が変わることがあります。「あと半年待てば支給対象になる」というケースもあるので、就業規則を確認しておくといいです。

転職時期を決めたあとの動き方

転職活動は在職中に始めた方がいい

転職が頭にあるなら、退職する前から動き始めることをおすすめします。

退職してから探す方が時間が取れるように思えますが、収入が途絶えた状態での転職活動は焦りが出やすい。焦りがあると、冷静に職場を選べなくなります。在職中は時間が限られますが、精神的・経済的な余裕を持ちながら情報収集できます。

転職活動には一般的に2〜3ヶ月かかることが多いです。「来年の3月に辞めたい」と思っているなら、遅くとも秋頃から動き始めるのが現実的です。

転職失敗のパターンや、職場選びで気をつけること^1も参考になるかもしれません。

自分の転職では、転職サービスは使わずに自分で転職先を探しました。サービスを使うことで求人の幅が広がったり、条件交渉のサポートを受けられたりするメリットがあるので、使ってみるのも一つの選択肢です。自分に合った転職サービスを探す参考に、こちらの記事^2もどうぞ。

退職を伝えるタイミングと準備

一般的には、退職希望日の1〜3ヶ月前に伝えるのが目安です。就業規則に「○ヶ月前まで」と定められている場合もあるので、まず確認してください。

師長への伝え方は、できれば直接、端的に伝えた方がいいです。「一身上の都合で」でも問題ありません。引き止められることがありますが、その対処については別の記事^3に詳しく書いています。

退職が決まったら、有給消化の計画と業務の引き継ぎ資料の準備も早めに動いておくと、最後の時期を少しでも穏やかに過ごせます。

迷っている時間も無駄じゃない

「タイミングは良かったのかもしれない」と思っている

14年目で転職したことについて、振り返って正直に思うのは——「もっと早く動けばよかったとは思わない。上司との折り合いが悪く辞めたくなったけど、そのほかの人との関係は問題なく、楽しい職場だった。むしろ、上司がいなければもっと働き続けたかった。だからタイミングは良かったのかもしれない」。

転職を決意できたのも、自分一人の力ではありませんでした。「他の所で働ける自信がなくて辞めれなかった」——それが正直なところです。2〜3年、辞めたいのに辞められない状態が続いて、友達に「次に行っても大丈夫よ」と言ってもらえて、やっと動けた。

迷っていた2〜3年間が無駄だったかというと、そうは思っていません。時間をかけて悩んでいた分、動いたときの自分のなかの準備が、少しはできていたのかもしれない。どんなタイミングに意味があるかは、後からしかわからないものだと思っています。

もし今、転職したいけど踏み出せずにいる人がいたら、迷っている自分を責めなくていいと伝えたいです。でも、「辞めたい」がずっと消えないなら、一歩動いてみることも選択肢の一つだと思います。

「辞めたい」という気持ちとの向き合い方についてはこちらの記事にも書いています。

よくある質問

Q1. 年度途中で転職すると、採用側に悪い印象を持たれますか?

看護業界は慢性的な人手不足のため、年度途中の中途採用は珍しくありません。多くの病院で通年採用が行われており、「年度途中だから採用しない」という話は一般的ではないです。採用側が重視するのは、入職のタイミングよりも、これまでの経験内容や人柄である場合がほとんどです。

自分自身の転職では、年度途中かどうかを意識していたわけではありませんでした。「年度途中だと申し訳ない」という気持ちは理解できますが、それを理由に動くことをためらいすぎる必要はないと思います。自分が動ける状態にあるなら、まず情報収集から始めてみてください。

Q2. 4科経験があると転職で有利になりますか?異動が多いとマイナスにならないですか?

複数の科を経験していることは、「幅広い対応力がある」という評価につながることが多いです。急性期・慢性期・専門領域のいずれかを経験していれば、それはそれぞれの職場で求められる強みになります。

一方、短期間で頻繁に異動・転職を繰り返している場合は、「定着しにくい人」という見方をされるリスクがないとは言えません。ただ、4科を経験してきた自分の考えとしては、「何科にいたか」よりも「各科で何を経験して、何を学んだか」を自分の言葉で説明できるかどうかの方が大事だと思っています。経歴を並べるより、経験の中身を話せる方が伝わると考えています。

まとめ

転職の「ベストな時期」は、求人市場の動きだけで決まるものではないと思っています。

1〜3月に求人が多いことは確かです。でも、大切なのは「そのとき自分がどういう状態にあるか」の方が先にある。

「3年は続けるべき」という話は、ある意味その通りだと思います。ただ、自分がつらい思いをしてまで3年を待つ意味があるかは、また別の話です。どこへ行っても看護技術は学べるし、自分が楽しく働ける場所を選ぶことの方が、長い目で見ると大切なのかもしれない。

迷うこと自体は、おかしくありません。動けないでいる時間も、無駄ではないと思います。でも、「辞めたい」がずっと消えないまま続いているなら、一度だけ求人を見てみるだけでも、気持ちが少し変わることがあります。

もし転職を考え始めているなら、まず情報収集から始めてみてください。自分に合った転職サービスの比較はこちらにまとめています。

転職のタイミングに正解はないけれど、自分のタイミングを信じていい。一緒に考えていきましょう。

ハロのイラスト @salaryman_nurse
WRITTEN BY

ハロ看護師15年

ICU 1年 → 精神科身体合併症 12年 → 地域包括ケア

「向いてないなあ」と15年目の今も思いながら、不器用に、一生懸命、働いています。

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