こんにちは!看護師のハロです!!
私についてはプロフィールをご覧ください。
>>プロフィール
「そもそも、せん妄って何?」
手術を受けた患者の術後合併症に『術後せん妄』があります。
『術後せん妄』とは、手術後に起こる『せん妄』を指しています。
高齢者の術後に多く見られ、一度発症すれば入院期間が延びる原因にないます。
ですので、できる限りの予防・対処が求められます。
この記事では『せん妄』とは何か、せん妄を発症した患者に対しどのような対応が必要になるのかを説明します。
記事を読み終えた時には、せん妄について理解でき適切な対処ができるようになります。
看護師が学んでおくべき、術後せん妄とは
術後せん妄とは、手術後に起こすせん妄を指しています。
看護師は正しくせん妄について理解し対応をすれば、せん妄の発症や症状増悪を抑えることができます。
看護師が知っておくべき、せん妄とは
せん妄とは、幻覚・妄想などの不穏が伴った軽度の意識障害です。
せん妄はこのように定義されています。
せん妄の定義
身体疾患や薬剤の影響によって急性に生じ、注意障害と認知障害を主徴とする脳の機能不全の状態
引用: Maldonado JR Clit Care Clin.33;461(2017)
よくせん妄と認知症と混同されますが、全く違うものです。
認知症は脳の認知機能の低下であり、不可逆的です。
一方でせん妄は意識障害であり、せん妄を引き起こす原因がなくなれば改善する可逆的なものです。
なので、認知症とせん妄ではそれぞれに対する対応が異なります。
せん妄の症状
せん妄の症状について詳しく説明します。
せん妄の主な症状は『意識障害』『注意障害』『記憶障害』になります。
『意識障害』:自分の状態や外界の状況がよくわからなくなった状態
重度の場合:外界からの刺激にほとんど反応しない。
軽度の場合:こちらの問いかけにしっかり返答してくれ、一見、正常に見るが、本来の活発さに欠ける部分がある。
せん妄は意識障害であり、意識障害によってさまざまな精神症状を引き起こします。
『注意障害』:『選択性』『持続性』『多方向性』『転導性』のいづれかが障害された状態
注意とは、『選択性』『持続性』『多方向性』『転導性』の4つの力が合わさったものです。
『持続性』:ある対象に注意を向け続ける力
『多方向性』:複数の対象に同時に注意を向ける力
『転導性』:別の対象に注意を切り替える力
『注意障害』:『選択性』『持続性』『多方向性』『転導性』のいづれかが障害された状態が注意障害です。
注意障害があると「会話中も別の対象に気が散りやすい」「話の内容が一貫せず、まとまりがない」といった言動が見られます。
『記憶障害』:物事を覚え続け、思い出すことができない状態
記憶とは物事を覚え(記銘)忘れずに覚えて起き(保持)思い出す(想起)一連の流れです。
記銘・保持・想起が障害されることを、記憶障害といいます。
さらに注意障害があると、外部刺激の情報をきちんと記銘できません。
せん妄のタイプ別症状
せん妄のタイプに『過活動型』『低活動型』『混合型』の3つがあり、これらによって症状がわかれます。
注意しなければならないのは『低活動型せん妄』です。
過活動型のせん妄であればすぐに気づき対応できますが、『低活動型せん妄』は静かな症状のため見逃されやすいです。
また低活動型せん妄は高い死亡率や褥瘡発生が指摘されており、予後が悪いことがわかっています。
せん妄の原因となる因子
せん妄が起こる原因に『直接因子』(せん妄が引き起こす原因)『環境因子』(せん妄を誘発しやすくなる因子)『準備因子』(せん妄になりやすい人)の3つがあります。
【せん妄.jp】というサイトにわかりやすく説明されていたので、引用しながら説明します。
せん妄の特徴
土壌を悪くする原因(直接因子)があって、それだけではなく、環境(誘発因子)もあり、もともと木が弱っていたらおこりやすい(準備因子)ことになります。
せん妄を引き起こす因子とは
- 直接因子(せん妄を引き起こす原因):土壌の悪化:身体の原因・薬
- 誘発因子(せん妄を増悪・発症しやすくする要因)=環境など:日内リズム、ストレス、不快な症状
- 準備因子(せん妄になりやすい人)=木自体の健康:年齢、基礎疾患など
せん妄は、せん妄を引き起こす原因(図で言う土壌)があって発症します。
加え、覚えておくべきことは、環境因子や準備因子よってせん妄がおこっているのではなく、せん妄だから環境因子、準備因子の対する耐性が弱くなっていることです。
だから、根本的な身体の病気や原因が解決されないとせん妄は治りません。
看護師が行うべきことは、せん妄を増悪させる原因(誘発因子)を取り除き、せん妄の原因となっている身体の病気の治療を進めを(直接因子)取り除くことです。
看護師がすべきことは、術後せん妄リスク因子の把握と除去
せん妄は高齢であるだけで起こるリスクが非常に高いです。
今後、高齢化に伴い、高齢者の手術が増えることは間違いなく、術後せん妄を発症する患者が増えることは明らかです。
一度せん妄を発症すれば治療が進まず入院期間が延びますし、看護師の負担も一気に増えます。
せん妄に対する知識は看護師誰もが持っておくべきものです。
私の働く精神科病棟では、院内の一般科病棟で手術を受け術後せん妄を発症し、一般科病棟では管理が難しい患者が転棟してきます。
精神科病棟に転棟したからといって、患者に行う看護ケアは一般科病棟とは変わらず同じです。
というのも繰り返し説明している通り、せん妄を発症する原因となった身体疾患のが改善されないかぎり、せん妄は治りません。
“続発性”なので、基本的に原因となるからだの病気や薬があります。
引用:せん妄.jp
私たち看護師ができることは、せん妄を引き起こす原因を突き止め除去することです。
そして、安全・確実にせん妄を引き起こす原因となった身体疾患の治療を進めるだけです。
まずは患者がせん妄を起こしている原因を理解しましょう!
そうすれば、私たちができること、看護がわかります!
今回紹介した【せん妄.jp】は、せん妄の勉強に大変便利なサイトです。
せん妄について、せん妄に対する対策・薬物治療法についてわかりやすく簡潔に解説しています。
リンクを貼っておきますので、興味のある方はぜひ参考にしてください。
>>せん妄.jp
最後に、私の話を聞いてください!
「この痛み止め、この患者さんに使っても大丈夫かな?」
「ドレーンが入っているけど、何を観察するの?」
と、普段働いていると疑問に思うことはないですか?
勉強しないといけないのはわかっているけど、そんな時間がない。
そんな時に役立つのは参考書【先輩ナースが書いた看護のトリセツ】です!
【先輩ナースが書いた看護のトリセツ】は、わからないときにすぐに実践的なことを学べる参考書です。
バイタルサインやドレーン管理、急変時の対応など、基本的なことから、その部特有の検査、リハビリテーションの方法など、全病棟に対応した13のテーマ、115の項目から構成されています。
看護師として働いていたら、絶対に必要となる看護知識と看護技術が一つに、わかりやすく、まとめられています!
基本的なことだけど、難しくて理解に時間がかかること。
仕事中など、時間がない時に、わからないことをすぐに調べる。
どんな時にでも使える本です。
参考書が欲しいなって思った時、多くの本があって悩みますが、この一冊を持っていれば安心です!
Amazonレビューは4.4と「押さえておきたい項目が並んでいる」「後輩に紹介するにはとてもいい本」と高評価を得ています。
『全病棟に対応した13のテーマ』その内容の量の多さと、わかりやすは一度見てもらえれば納得します。
周りが正しい知識を持って看護をしている中、何もわからないまま、看護をするのは大変危険です。
わからないことを、わからないままにしておけば、結果的に傷つくのは患者です。
だけど【先輩ナースが書いた看護のトリセツ】を読めば、わからないことがわかるようになります。
わからないときや困ったことを解決へ導いてくれる、看護師必須の本です。
ぜひ、下記リンクから購入をしてください!
『わからないことが、わかるようになる』
この積み重ねが自信となり、自分らしさに繋がります。
どうしても今の看護現場は年功序列。
先輩看護師は顔をきかし自由に働く一方で、後輩看護師は先輩看護師の顔をうかがいながら働かないといけません。
「そんなことをしたくて看護師になったのですか?」
「NO!」絶対に違うでしょう。
自分が他人に振り回されず自由に働くには、自分に自信をつけ、自分らしく働ける看護師になるしかありません。
『思い、行動すれば自分を変えられる』
まずは「変わりたい」と思い、日々の不安や悩みを1つずつ解決していくことが自分の自信になります。
これからも『自分らしい看護師』になるために必要な知識や考え方をお伝えしていきます!
応援よろしくお願いします!!
関連記事
>>【大切なポイントは?】大腸がん 術後看護
>>【ポイント押さえればOK!】前立腺癌 前立腺全摘出術の看護
>>【要点のみ】ORIF(観血的整復固定術)術後の看護
「少しでも参考になった!」「共感できた!」という方は下記バナーを押して、応援してくださると大変うれしいです!!